ツインプラグ

ポルシェ911の空冷エンジンは基本的にほとんど形を変えず、排気量の増加でトルク及び馬力を大きくしていきました。
最初の考えでは、3リッターくらいが限界だろうといわれていたものが、ポルシェ964では3,6リッターまで
なっていました。

ここまでくると、ストロークは76,4とショートストロークといえますが、ボアは100ミリまで拡がりました。
そこでポルシェのエンジニアはスパークプラグを1気筒当たり2個つけて、火炎伝播を速めるようにしました。
この技術自体はそんなに目新しいものではなく、ポルシェ964もある意味やむを得ずということでしょうか。

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半球形の燃焼室とシングルカムという条件も2プラグにするのが容易だったこともあって、
苦肉の策といえなくも無い。もちろん完全燃焼でトルクや馬力も若干アップするでしょうし燃費にも良い方向に向く。

ただ、良いところばかりでなく欠点も見えてくる。
例えば、点火プラグが倍の12本必要になりますし、当然点火コイルそしてディストリビューターもふたついります。
そして点火時期を同調させるのにベルトを使っているのですが、これが切れたりすることたまに起こります。

ポルシェ964のエンジンはこのようにツインプラグ方式を採用したのですが、
これに伴いピストンの形状も変わっています。ヘッドが2プラグにあわせてリセスが設けてあり、
圧縮比も上がっているので形状も変化しています。

このエンジンはこの後ポルシェ993にも基本を変えずに搭載されていますので、
おそらく評価は悪くなかったのでしょう。

この後は、水冷エンジンになりシングルのプラグに戻るので、市販のポルシェ911ではこの空冷エンジンだけが
ツインプラグということになります。